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[食 中 毒]

 日本では、今日まで、食品関連業界における衛生管理は、細菌に対してのみが重要視され、カビに対する危機意識は欧米諸国と比較しても非常に劣っているのが現状です。実際、製造工場内や製品保管庫などにおいてカビが発生したままとなっている事例は希ではありません。
 いくら管理された環境でも全くの無菌状態を創ることは難しいため、ほとんどの食品にはカビがついているといっても過言ではありません。カビはただついているだけならそれ程問題にはなりませんが、食品中で増殖をしてカビ毒をつくり出すと、細菌による食中毒の比ではない、恐ろしい害を人体に及ぼします。
 カビ毒は、熱を加えてカビ菌自体を殺菌しても、産生された毒素の毒性は残り、少しずつ蓄積していって気が付かない間に人体を蝕んでいきます。そして、発症したときにはほとんど手遅れとなり尊い人命を奪います。
 カビに対する抵抗力が低下した現代人が増える中、カビの発生している環境で食品が製造及び保管されることがなく、消費者にカビの危害がおよばないように配慮することが、食品関連業界の責務といえ、これからの衛生管理は、細菌だけではなく、カビに対する厳しい監視が重要となってきます。


●食中毒や発癌性物質となるカビ毒●
真菌症
真菌アレルギー症
院内感染とMRSA
レジオネラ菌
シックハウス症候群について

ペットと感染症
 カビは食品に生えるとカビ毒を作りだします。カビ毒と呼ばれる物質は300種類以上にも及びますが、食品衛生上問題となるカビ毒は、発癌性あるいは強い毒性を示すもの、食中毒を起こすもの、食品への汚染が認められるものなどです。
 最近話題になったのは、アメリカや南アフリカで馬が飼料のトウモロコシのカビ毒フモニシンから白質脳炎を起こした例、また、汚染されたトウモロコシを比較的多く食べている南アフリカの人々に食道癌の発生率が多かった例などがあります。
 農作物は収穫、貯蔵、輸送、保管のどの段階でもカビによる汚染にさらされています。
 カビ毒に汚染された農作物によって起こる食中毒を真菌中毒症と呼びますが、この真菌中毒症を起こす経路は、人がカビ毒に汚染された食物を直接食べる場合と、カビ毒が残留している牛や豚、鶏などの肉や臓器、卵、乳などを食べて引き起こる場合があります。


●カビの生えた食品を食べてしまった場合●

「カビ博士の相談室」には、「カビの生えた食べ物や飲み物を気付かずに食べたり飲んだりしてしまった・・・心配です」等のカビを口にしてしまった場合の対処に関する質問が数多く寄せられます。さすがに、見てすぐ分かる位多量にカビの生えた食品を、常日頃からわざわざ口にする人はいないと思います。なぜなら、ひどくカビの生えた食べ物は、すでにそのもの自体の変質がかなり進んでいて、口にした瞬間に異様な臭いや味がするのですぐに気付き、無理に食べようとしても到底食べられる代物ではないからです。したがって、ほとんどの場合、気付かずに食べてしまう程度ですから、大事に至るケースはそれほどないのが現実です。しかし、上記に記載した様に、食品に生えたカビの中には、恐ろしい害を人体に及ぼすものも少なくありません。生えているカビが危険なものかどうか解れば問題ないのですが・・・残念ながら、色や様態、臭いなどの目で見たり鼻で嗅いだりしただけで種類を判別することは不可能です。カビの種類は、採取して専門的な検査をしない限り解りません。安全が確定出来ないわけですから、カビの生えた食品は、絶対に食べてはいけません。もしも、間違って食べてしまった場合、24時間経っても何の異常もないようなら、運が良かったと安堵安堵して下さい。そして、同じ間違いを何度も繰り返さない様に以後気を付けて下さい。麻痺、痙攣、発熱、嘔吐、腹痛、下痢、頭痛、目眩、意識障害、湿疹等、今までとは明らかに違う何がしかの異常な症状がある場合には、出来るだけ早く病院に行って医師の診察を受けてその指示に従って下さい。